生産の現場から
vol.35 100周年イベントで水槽展示
2025.09.26
近畿大学は2025年で創立100周年を迎えました。
これを記念し、2025年9月20日、大阪・関西万博内のイベント会場「WASSE」で記念イベントが開催されました。
https://100th.kindai.ac.jp/contents/specialevent/
イベントの総合テーマは「海と大地を耕す」。
会場中央では水産養殖種苗センターと水産研究所が水槽展示を行い、人工種苗(稚魚)を用いた持続可能な養殖について発信しました。
近畿大学を代表する魚であるマダイ。
1964年に養殖マダイからの採卵に成功し、1973年には養殖業界に人工種苗の販売を開始。
研究成果の産業化、業界への貢献という面でも大きな成果を残してきました。
今回の万博の近畿大学の大きな展示テーマの一つである「人生で初めて食べる魚に出会う」。
近畿大学ではより養殖効率がよく、事業性が高い魚種を研究する一環で1964年から交雑育種に取り組んできました。
この万博では「サラブレッド魚」として紹介されている魚たちです。
こちらはブリヒラ。
ブリと旨味とヒラマサの食感の良さを併せ持ち、大手回転寿司チェーンなどでも提供されニーズが高まっています。
ブリの仲間は天然環境で採捕された種苗を使って養殖されるケースが多いですが、ブリヒラは人工種苗であるという点でも注目を集めています。
こちらはクエタマ。
高級魚として知られるクエは、養殖する際、成長が遅くその分コストがかかることが課題です。
近畿大学では2011年、同じハタ科の「タマカイ」と交雑することでクエより成長が速いクエタマを作出しました。
クエとそん色のない味わいで、「近畿大学水産研究所」の名で養殖魚専門料理を提供する万博店、グランフロント大阪店、東京の銀座店などでも人気を集めています。
こちらはキンダイ。
イシダイの強い繁殖力とイシガキダイの成長の早さを併せ持ち、非常に美味な魚です。
この他、近畿大学水産研究所からは
ニホンウナギの完全養殖個体、仔魚(レプトセファルス)、稚魚(シラスウナギ)
アカムツ(ノドグロ)の稚魚
コチョウザメの稚魚
を展示しました。