生産の現場から
vol23.稚魚の出荷選別(海上)
2024.07.10
今回は海上での出荷選別についてご紹介します。
これまでもご説明の通り、近畿大学では魚の性質や環境との兼ね合いによって陸上と海上での中間飼育を使い分けています。
こちらが海上での中間飼育の様子で、主にマダイ、シマアジ、カンパチ、クロマグロの中間飼育を行います。
稚魚は成育過程で複数回の選別を行いますが、中間飼育を終えた稚魚たちが出荷に向けた最終工程として行われるのが出荷選別です。
マダイの場合は8~10cmほどになると出荷の時期を迎えます。
フィッシュポンプで海水ごとベルトコンベヤーにくみ上げた稚魚は、複数の職員の目で1尾ずつ大きさや形、健康状態などのチェックを行い、合格したものだけをフィッシュカウンターで計数しながら出荷用生簀に流し込みます。
ベルトコンベヤーで流れていく生きた稚魚の状態を瞬時に見分けなければならず、非常に集中力と経験が必要な仕事で、熟練の職員が担当しています。
ポンプでくみ上げる作業にも細心の注意が必要です。
一度に大量の魚をベルトコンベヤーに送り込むと魚をしっかり選別するのが困難になるのはもちろん、魚にも負荷がかかります。
一方で、あまりに流量が少ないと作業効率が悪くなります。
近畿大学では、これらの作業にAIやIoTの技術を取り入れるよう研究しており、段階的に実用化を進めています。