生産の現場から

vol20.中間飼育(海上)担当者の業務

2024.01.25

vol.18で陸上の中間飼育業務について紹介しました。

親魚担当者によって採卵された卵は初期飼育担当者に引き継がれ、一定の大きさに育つと中間飼育担当者に引き継がれるのですが、近畿大学では前回もご説明の通り魚の性質や環境との兼ね合いによって陸上と海上での中間飼育を使い分けています。

今回は海上の中間飼育についてご紹介します。

海上では主にマダイ、シマアジ、カンパチ、クロマグロの中間飼育を行います。

陸上の中間飼育と同様にお客さん(養殖業者)の元に種苗(稚魚)を届けるため、形がきれいで大きさが揃い、なおかつ健康で十分な大きさに育てることが一番の仕事となります。

魚種によりますが、マダイの場合は陸上施設で40~50日齢、3cm程度になるまで初期飼育をしてから沖だしし、海上で8~10 cm程度の出荷サイズになるまで飼育管理を行います。

沖出し直後は一日に複数回給餌が必要です

風向きや潮の流れも考慮し、稚魚がしっかり餌を食べているか確認しながらの作業になります。

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稚魚は海の上に浮かべた生簀の中で育てるので、台風や嵐など悪天候に見舞われたり、夏の高水温、冬の低水温などいろいろな自然現象におびやかされます。

また、できるだけ病気に罹らないように魚のストレスを少なく保つよう心掛けていますが、それでも病気が発症する場合もあります。

このような問題を直ちに把握し即座に対応できるよう、飼育担当者には「魚を見る目」が求められます。

魚に異変がないか、じっくり、慎重に観察します。

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出荷に向けての工程についてはまた次回にご紹介します。