生産の現場から
vol.39 初期飼育グループ(お仕事紹介)
2026.06.01
前回のブログでは、採卵した卵を初期飼育グループへ引き継ぐところまでをご紹介しました。
今回は、その卵を受け取った後、初期飼育グループによってどのように魚たちを育てていくのかをご紹介します。
魚種によって多少違いはありますが、代表的な魚種(マダイ、シマアジ、ブリ類、クロマグロなど)の卵は、直径およそ1mmほどの大きさで、約2日かけて孵化します。
生まれたばかりの仔魚(魚の赤ちゃん)は、体長3mmほど。
この時点ではまだ目が見えず、口も開いていません。しばらくは、お腹にある栄養を使いながら成長していきます。そこからさらに2日ほど経つと、ようやく餌を見つけて食べられるようになります。
この孵化直後から稚魚になるまでの時期は、とてもデリケート。
少しの水質変化や環境の違いでも体調を崩してしまうため、特に慎重な管理が必要です。
担当者は、出勤するとまず魚の様子や水質、機器の設定などをチェックします。
「魚をよく観察すること」はどの担当でも大切ですが、仔魚・稚魚の時期は特に重要になります。
こちらはライトを当てながら仔魚の様子をじっくり観察している写真です。

顕微鏡で拡大すると、こんな姿をしています。

養殖魚は成長すると配合飼料を食べるようになりますが、仔魚の時期はまだ配合飼料を食べることができません。
そのため、最初は動物性プランクトンを与えて育てます。このプランクトンも、水産養殖種苗センター内で培養しています。
担当しているのは「餌料培養グループ」。こちらについては、次回のブログで詳しくご紹介する予定です。
前述の通り、仔魚は生後2〜3日ほどで餌を食べ始めます。
最初に与えるのは「シオミズツボワムシ(通称:ワムシ)」という動物プランクトンです。
こちらがワムシの写真です。

写真でははっきり見えますが、実際の大きさは約0.1〜0.3mmほどしかありません。次の餌を食べることができる大きさに成長するまで、餌料培養グループが培養したワムシの供給を受けて育てていきます。
その後、2週間ほど経つと、さらに大きな「アルテミア」というプランクトンへ切り替えます。
さらに成長すると、ようやく市販の配合飼料が食べられるようになります。配合飼料は、オキアミやイワシなどを粉末状にしたものに、ビタミン類などを加えて固形に成型されており、魚種や成長過程に合わせて使用原料や原料比率を変えたり、魚の口の大きさ合わせて様々な大きさで製造されています。

魚の状態は常に確認していますが、特に出勤時と餌やり後は重点的に観察しています。
餌やりが終わると水槽内部の底面を掃除します。

底にたまった汚れを取り除くことで、水質悪化や病気を防ぐだけでなく、魚に異常がないか確認する大切な作業にもなっています。
卵を収容した時点から、日々の飼育情報や給餌内容を細かく記録・保管しながら、丁寧に飼育に取り組んでいます。一定の大きさに育つと、中間飼育グループに引き継がれます。ここまでが初期飼育グループの業務です。
次回は餌料培養グループのお仕事紹介です。