生産魚種

マダイ

マダイ

近大マダイの特徴は成長の早さにあります。近大マダイは魚体重1kgになるまで1年半であるのに対し、天然マダイは3年もの期間を要します。これは色や形態が優れ、成長の早い個体を稚魚の段階から選別し、それを育てて親魚とするサイクルを何代にもわたって繰り返す(選抜育種)ことにより実現しています。年々改良されるマダイ稚魚を全国に出荷することでマダイ養殖産業の発展に貢献し続けており、現在、年間1,400~1,500万尾の種苗を出荷しています。

クロマグロ

クロマグロ

昭和45年(1970年)より養殖研究を開始しました。昭和54年(1979年)には種苗生産に成功し、平成14年(2002年)には幾多の技術的困難を乗り越え完全養殖にも成功しました(いずれも世界初)。平成16年(2004年)からは完全養殖マグロの市場出荷、平成19年(2007年)には人工種苗の販売を開始しています。平成22年(2010年)には完全養殖種苗の安定供給に取り組むため豊田通商(株)と業務提携を結び天然資源に依存しない養殖方法の確立に取り組んでいます。また、平成27年(2015年)に今では近畿大学を代表するブランドとして認知されている「近大マグロ」の商標登録を行いました。

シマアジ

シマアジ

アジ類の中で最高級とされる本種は昭和40年代半ばから天然種苗を用いた養殖がおこなわれてきました。しかしながら、種苗の供給が少なく不安定であったため市場から熱望されていたにも関わらず量産されませんでした。近畿大学では、昭和48年(1973年)世界で初めて人工ふ化・稚魚飼育に成功しました。その後、完全養殖にも成功し、本種は主要な養殖対象魚種の仲間入りを果たしています。本学は本種の種苗生産量で高いシェアを誇っています。

ブリ・ブリヒラ

ブリ ブリヒラ

ブリ養殖に用いる種苗はほとんどが天然海域で採捕されたものですが、持続可能な食材への意識の高まりを背景に、人工種苗のニーズが高まっています。近畿大学では昭和43年(1968年)、世界で初めて種苗生産に成功。近年、親魚水槽を拡充して増産体制を進めています。また脂の多いブリに、色持ちが良く弾力性に富むヒラマサを交配させることで、両種の良さを併せ持つ交雑魚「ブリヒラ」「ヒラブリ」も開発し、品質改良と量産化に取り組んでいます。

カンパチ

カンパチ

ブリと同様に天然種苗を用いた養殖がほとんどです。種苗は主に中国沿岸で採捕され一定期間飼育したのちに輸入されます。近畿大学では昭和44年(1969年)に世界で初めて種苗生産に成功しました。近年、人工種苗のニーズが高まり、ブリ同様に天然資源に依存しない養殖を目指して増産体制の構築を進めています。

クエ・クエタマ

クエ クエタマ

近畿大学では昭和63年(1988年)にクエの種苗生産に成功し、その後完全養殖により養殖を行ってきました。平成26年(2014年)には、成長の良い南方系のハタ科魚類であるタマカイと交配させる交雑魚「クエタマ」の試験飼育を開始し、クエよりも成長がよく身質も良好で高い評価を受けています。

トラフグ
トラフグ
中国イサキ
中国イサキ
ヒラメ
ヒラメ
キンダイ
キンダイ
マサバ
マサバ
オニオコゼ
オニオコゼ