沿革と概要

概要

昭和23年(1948年)に水産研究所が誕生して以降、養殖魚の研究活動に取り組んできましたが、水産研究所の研究を産業化し、地元はもとより広く日本の水産業と食料の供給に貢献するため、昭和45年(1970年)に白浜に本部を置く水産養殖種苗センターが設立されました。開設以来、半世紀に渡って選抜育種や交雑による品種改良により、マダイ、シマアジを中心として様々な魚種の優良種苗の生産および高品質な成魚の養成に日々取り組んでいます。

平成25年(2013年)には大島事業場、浦神事業場、奄美事業場の海面養殖部門を(株)アーマリン近大へ移行し、平成30年(2018年)には白浜事業場の海面養殖部門を同じく(株)アーマリン近大へ移行し、現在は陸上施設における親魚からの採卵、初期飼育および陸上で養殖する魚種の成魚養成を行っております。

また、平成30年(2018年)には(株)アーマリン近大とともに人工種苗を用いた養殖魚であることを証明する「持続可能な水産養殖のための種苗認証(SCSA認証)」を取得いたしました。当センターでは、これまで多くの魚種で人工種苗を用いた完全養殖事業を推進しており、今後、クロマグロやブリ類についても人工種苗生産事業を積極的に進め、天然資源に頼らない人工種苗の安定量産とその普及に尽力してまいります。

さらに、養殖業界におけるパイオニアとして養殖業へのAI・IoT導入し、職員の業務の負担軽減や業務改善につなげる取り組みも行っております。

沿革

昭和45年(1970年)4月 白浜漁協との共同事業で白浜水産養殖科学センター運営協議会を設立し、水産養種苗センター(現白浜事業場)を開設
平成元年(1989年)10月 すさみ、大島、浦神、新宮事業場が水産研究所各実験場より分離し開設
平成9年(1997年)4月 富山事業場開設
平成10年(1998年)12月 瀬戸内漁協との共同事業で奄美水産養殖科学センター運営協議会を設立し、奄美事業場を開設
平成14年(2002年)2月 中辺路、新宮、 富山事業場閉鎖
平成22年(2010年)9月 豊田通商株式会社とのクロマグロ養殖事業における協業事業開始
平成28年(2016年)2月 マレーシアサバ州に「近畿大学水産養殖種苗センター東南アジア事業場」を開設
平成30年(2018年)2月 「SCSA」認証取得 取得魚種:マダイ、シマアジ、ブリ属、クロマグロ
平成31年(2019年)4月 インドネシア企業「PT SURI TANI PEMUKA」と共同研究や人材交流に関するMOUを締結