種苗生産と生産管理

親魚の催熟と採卵

  • ・長年の品種改良によって成長が早い、病気に強いなどの優良な形質をもった人工ふ化魚の中から、さらに選抜して親魚を養成しています。
  • ・選抜された親魚群を陸上水槽に収容し、水温や日照時間などの飼育環境を調整して、それぞれの魚種の生産時期に合わせて計画的に採卵しています。
  • ・受精率や正常ふ化率をチェックし、良質の受精卵を生産に用いています。

初期飼育

  • ・卵からふ化した仔魚には最初にシオミズツボワムシを与えます。その後、成長にあわせてアルテミア幼生、配合飼料の順に与えていきます。また、その魚種に適した水温などの環境を整えて飼育します。

シオミズツボワムシ:市販の濃縮淡水クロレラなどを餌として培養し、魚に給餌する前にはEPAやDHAなどの高度不飽和脂肪酸が豊富な栄養強化剤を与えます。

アルテミア幼生:市販の耐久卵を孵化させてワムシと同様に栄養強化します。
配合飼料:魚の成長に合わせてサイズを変えていきます。

沖出し

  • ・陸上水槽で一定の大きさに成長させた稚魚を海上イケス網に移動する作業をいいます。特に飼育尾数の多い魚種では、何回も卵を水槽に収容しては沖出しすることを繰り返します。

まず、水槽で飼育している稚魚を網などで取り上げてトラックで漁場の近くまで輸送します。
船上の水槽に移し、生簀まで運んで収容します。

魚病検査

  • ・飼育中の魚が死亡した場合には、速やかにその原因を調べ、適切な対処方法によって治療にあたります。
  • ・沖出し・出荷した稚魚が発病した場合にも魚病診断と治療のアドバイスを行っています。

栄養成分分析

  • ・生物餌料や配合飼料の栄養成分を定期的に分析して、栄養価の高い餌飼料を魚に与えています。

軟X線を用いた形態異常魚検査

  • ・沖出し時には軟X線を用いてサンプルの形態異常魚をチェックし、種苗品質の向上に努めています。

水質・底質検査

  • ・飼育水、排水の水質チェックはもとより、沖出し漁場の底質調査を定期的に行っています。