生産の現場から

vol17.初期飼育担当者の業務

2023.05.15

親魚担当者によって採卵された卵は初期飼育担当者に引き継がれます。

仔魚・稚魚の期間は、特に環境の変化で調子を崩しやすいため、担当者は日々大変気をつかっています。

出勤したらまず、魚や水槽の状態を確認するとともに、日々水質測定を行います。

成育のステージによっては一日に複数回の測定を行うこともあります。

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水槽の底面掃除も日々の大切な仕事です。

単に飼育による汚れを取り除くだけでなく、水槽の底の様子を知ることで魚や水に異変が起きていないか確認することができます。

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卵のふ化が始まるとふ化率を確認し、慎重に管理します。

魚種や環境によりますが2~3日ほどで口が開き、給餌が始まります。

最初はシオミズツボワムシ(※以下ワムシ)という生きたプランクトンを与えます。

ワムシは自家培養しており、不足すると稚魚が育てられません。

さらに必要な栄養をワムシに取り込ませることで魚が健康に育てられるため、培養と強化は初期飼育担当者の非常に重要な業務の一つです。

日々、ワムシを計数して培養状況を管理しています。

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こちらは、培養したワムシを洗浄し、混ざった不純物を取り除く作業です。

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ワムシ給餌の様子です。

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ふ化から2週間ほどたつと、次にアルテミア(ブラインシュリンプ)という大きめのプランクトンに切り替えていきます。

さらに大きくなった稚魚は、魚粉などを細かい粉末にしてビタミンなどを添加した人工配合飼料を食べるようになります。

22日齢のブリヒラです。体調は1.4~1.5cmほど。

ちょうどアルテミアから人工配合飼料への切り替えの時期です。

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卵を収容した時点から、日々の飼育情報や給餌情報を詳細に記録・保管しながら、丁寧に飼育に取り組んでいます。