生産の現場から

vol27.種苗生産の流れ

2024.10.28

これまで、種苗(稚魚)生産の各担当業務を紹介してきましたが、改めてその記事を生産の流れに沿ってご紹介します。

これらの飼育情報や給餌情報も担当から担当に引き継がれ、詳細な飼育履歴が記録・保管されていきます。

親魚担当により生産が始まります。

養殖事業者が必要とする時期から逆算して生産スケジュールがたてられています。

親魚を陸上水槽に移して水温や日長を管理をしながら催熟し、計画的に採卵します。

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採卵した卵を慎重に管理し、ふ化が始まるタイミングで初期飼育担当者にバトンを引き継ぎます。

初期飼育担当が卵を引き継ぐ頃にはふ化が始まり、飼育が始まります。

魚種や環境によりますが2~3日ほどで口が開き、給餌が始まります。

最初に与える「シオミズツボワムシ」というプランクトンも自家培養しています。

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ふ化から2週間ほどたつと、次にアルテミア(ブラインシュリンプ)という大きめのプランクトンに切り替えていきます。

さらに大きくなった稚魚は、市販の配合飼料を口の大きさに合わせて段階的に切り替えながら与えていきます。

一定の大きさに育った稚魚は中間飼育担当者に引き継がれます。

近畿大学では、魚の性質や環境との兼ね合いによって陸上の中間飼育と、海上の中間飼育を使い分けています。

陸上では主にブリ、ブリヒラ、ヒラマサ、トラフグの中間飼育を行います。

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海上では主にマダイ、シマアジ、カンパチ、クロマグロの中間飼育を行います。

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お客さん(養殖業者)の元に種苗が届くための最後の飼育工程となるため、形がきれいで大きさが揃い、なおかつ健康で十分な大きさに育った種苗を作ることが一番の仕事です。

魚の大小差を作らないように飼育することが重要で、給餌の仕方や飼育密度などを的確に管理し続けることで、成長差を最小限にとどめます。

中間飼育によって、出荷サイズまで育った魚種は出荷選別を行います。

複数の職員の目で1尾ずつ大きさや形、健康状態などのチェックを行い、合格したものだけを出荷用の水槽や生簀に収容します。

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出荷後も営業担当が定期的に訪問し、出荷した稚魚の様子や養殖業者が育成中の成魚の様子を確認し、その評価を吸い上げて種苗センターの現場にフィードバックします。

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近畿大学の手を離れても、成長を見守り続けていきます。